健康・看護

神経痛入門【胸郭出口症候群】首、肩周りが固い人は要注意!

こんにちはきちです!

前回の投稿で神経痛の概要をお話しました。

↓こちら^ ^

https://re-birthbody.com/200/

今回からは具体的な神経症状を引き起こす疾患をお話します。

まずは胸郭出口症候群からです。

胸郭出口症候群と聞くと

「どんな症状なのか分からない」

「何神経の障害なの?」

「どこが悪いの?」という疑問を持つ人が多いと思います。

普段、私は現場を通して多くの胸郭出口症候群の方を治療しています。

その中で意識して見ていることや

鑑別方法などを紹介していきます。

学生時代の教科書を見ると

胸郭出口症候群は頸部や鎖骨下部が原因とよく表記されています。

私もそれを信じて治療してきました。

しかしなかなか良くならないことも多々あります。

普段の治療現場はこういったことが本当に多いですよね…

今回の記事は、教科書に載っている内容だけでなく

私が普段の現場でアプローチする場所など実践的なことも踏まえてお伝えします。

ぜひ最後まで読んでみてください!

胸郭出口症候群とは?

腕神経叢の絞扼神経障害の1種

まずは胸郭出口症候群の説明からしていきます。

胸郭出口症候群は

腕神経叢と鎖骨下動脈・鎖骨下静脈が

絞扼されて起こるものです。

絞扼神経障害は前回やりましたね。

神経が椎骨を出て上肢や下肢へ向かう途中のどこかで筋肉や靭帯、骨で圧迫されて症状が起こる神経痛です。

その中でも腕神経叢の絞扼が90%を占めると言われています。

そして神経性の中でも上肢の挙上で症状が出る圧迫型と

上肢の下垂で症状が出る牽引型に分かれます。

基本的な絞扼部位は3つ

腕神経叢の絞扼部位は大きく分けて3部位存在します。

斜角筋隙

斜角筋隙は前斜角筋と中斜角筋と第1肋骨で囲われたスペースです。

そこを腕神経叢が通過する際に絞扼されます。

というのが、一般的な意見ですが…

実際は神経が斜角筋隙を通過することは少ないと言われています。

神経根が前斜角筋の前を通過することや、筋肉を貫通することも多々あります。

肋鎖間隙

鎖骨下筋の肥厚が原因で神経を絞扼します。

鎖骨下筋は鎖骨を下前方へ下ろす時に使われる筋肉のため前のものに手をのばす動作が多いとどうしても疲れてきます。

小胸筋間隙

肩関節が過外転を繰り返すことで小胸筋が固くなり神経を絞扼するものです。

肩甲骨が外転する時鎖骨は約30°挙上、約30°後方回旋します。

この時小胸筋間隙で神経を圧迫し、烏口突起の下では神経叢を伸張させることが特徴です。

小胸筋は肩甲骨の外転筋であり、肋骨の挙上にも作用します。つまり呼吸に関係する筋肉の1つです。

普段現場で見ていて小胸筋が固い方は、呼吸が浅く息が吐けていないことが多いようにも感じます。

胸郭出口症候群の症状は?

腕神経叢に含まれる神経は全て障害を受ける可能性がある

胸郭出口症候群は腕神経叢に含まれる

正中神経、橈骨神経、尺骨神経

どの神経も絞扼を受ける可能性があります。

そのためどこが原因で起こっているのかの鑑別がしづらくなるのです。

症状は神経性・静脈性・動脈性で異なります。

表にするとこんな感じです。

1番症状が出やすいのが神経性の下位型

多くの神経が障害される可能性がある胸郭出口症候群ですが、可能性として1番多いのはC8・T1の障害です。

これは下位であるほど鎖骨との距離が近いことや頚椎と胸椎の前弯、後弯の移り変わる場所ということが原因ではないかと思っています。

ただ頭ごなしに下位神経だけを疑うのではなく腕神経叢に沿って触診や、誘発肢位を必ず示してもらい鑑別することが必要です。

鑑別がややこしい尺骨神経障害

C8やT1の神経が障害されるとなると尺骨神経障害の鑑別が本当にややこしいです。

尺骨神経障害の場合

感覚神経の異常が見られる

巧緻運動障害が見られる(指先の細かなことができなくなる)

骨間筋の萎縮→ワシ手

といった流れになります。

しかし胸郭出口症候群でも同じような経過をたどります。

この時、肘部管やギオン管での絞扼が見られるかが重要なポイントです。

チネル徴候のチェックは絶対です!

特にギオン管症候群の場合は尺骨神経の深枝と浅枝、背枝の関係から手背に感覚障害は出ません。

それに対して胸郭出口症候群ではギオン感より遠位に感覚障害と運動障害が見られます。

こういった鑑別は脊髄神経の走行の把握と浅枝と深枝の理解が必要になります。

でもここが分かれば神経痛の鑑別のスペシャリストになれます!

胸郭出口症候群に対するきちのアプローチ

誘発肢位の確認

まずはどの動作、肢位で症状が出るのかをはっきりさせます。

その時上記の3つの代表的な絞扼部位が原因でないこともあります。

なので誘発肢位を確認し、どこで絞扼が起こっていそうか?そこをイメージすることから始めます。

部位の確認

次に実際どの部位に症状が出ているのかを明確にします。

患者さんは基本的に「この辺」といったように症状の出ている部位をだいたいで伝えることが多いです。

それを具体的な部位として把握することが大切です。

それを踏まえてどの神経が障害されているかを判断します。

絞扼部位の確認

障害されている神経が決まったら、その神経の走行上でどこが絞扼部位かを探していきます。

例えば尺骨神経の障害がある時、上腕部の感覚はどうか?前腕部の運動はどうか?

近位から順番にチネル徴候を見て、徴候が見られる部位と見られない部位の境界部位を見つけたらそこからアプローチします。

まとめ

胸郭出口症候群は現場でよく見られるものです。

しかし鑑別がややこしく症状が緩和するのに時間がかかることもあります。

そのために必要なことが疾患の理解と、神経や筋肉の解剖学の理解です。

今回お伝えしたことは私が普段の現場で意識していること考えていることの一部になります。

もしよかったら参考にしてみてください(^^)

今日もありがとうございました。