健康・看護

神経痛入門【尺骨神経障害】走行の理解が深〜い…

こんにちはきちです!

今回も神経痛入門の続きをしていきます。

鍼灸師を目指す学生さん、なりたての先生にとって有益な情報になればと思います!

それではいきましょう!

前回は胸郭出口症候群についてお話しました。

↓こちら^ ^

https://re-birthbody.com/209/(新しいタブで開く)

今回は胸郭出口症候群と鑑別の難しい尺骨神経障害について今日はお話します。

尺骨神経障害は国家試験でもよく目に見る範囲ですよね。

他の上肢の神経障害との区別がややこしかったことに私も苦しめられました。

しかし苦しんだ割には現場で国試のように分かりやすい症状では現れません。

だから余計に臨床現場では難しい…そんな悩みに向けてお伝えします!

私は普段の臨床現場で毎日のように神経症状を持った患者様と関わり治療しています。

その中で必須の知識や考え方をお届けします。

皆さん尺骨神経障害の理解は出来ていますか?

私も最初は肘部管症候群ギオン管症候群だけ覚えていて浅い知識で現場に立っていました。

しかしそれでは到底現場では結果につながらないんですよね…

本記事を読んでいただくと尺骨神経障害の知識や鑑別方法を理解して現場で大活躍出来るようになります!

尺骨神経障害とは?

尺骨神経の走行

まずは尺骨神経の解剖学の部分をお伝えします。

尺骨神経は腕神経叢の中でも下位のC8とT1から伸びてくる神経です。

そして下神経幹から内側神経束を経て尺骨神経となります。

↓腕神経叢のイメージはこんな感じ(・∀・)

そして鎖骨の下を通り上腕の内側、肘の内側後方、前腕の内側を経て薬指、小指、手掌へと続きます。

↓尺骨神経の走行を簡単に。

尺骨神経の特徴

尺骨神経は知覚繊維が比較的多いです。また断裂した場合縫合後の回復も必ず良いと言うわけではありません。

また前腕部で尺骨静脈と並走することも特徴の1つです。

尺骨神経障害の症状は?

尺骨神経障害は絞扼神経障害によって起こる

尺骨神経性障害は脊髄神経の障害の中の絞扼神経障害に含まれます。

したがって絞扼された部位より遠位で基本的には症状が現れます

代表的な障害部位

肘部管

ギオン管

この2つがメインと言っても過言ではありません。

肘部管症候群

肘部管は尺骨神経溝を含むオズボーン靭帯で被われたトンネルのことです。

肘関節の屈曲伸展での圧迫や牽引、伸張が繰り返されることで神経に障害が起こります。

特に屈曲位で肘部管内の圧が高まります。

瘢痕化まで神経が障害されてしまうと後に除圧しても障害が残ってしまうこともあります。

尺骨神経は肘関節の内側靭帯とも近く圧迫されやすい部位に存在します。

そのため投球動作などで外反ストレスが加わわると

内側靭帯が牽引され神経圧迫につながることがあります。

このようにただ解剖学的に圧迫されやすいというだけでなく日常生活動作で障害されていることが多々あることも特徴です。

肘部管症候群になるとそれ以降の前腕全てで神経症状が起こる可能性があります。

ギオン管症候群

ギオン管は手根骨の有鉤骨と豆状骨と豆鉤靭帯で作られるトンネルのことです。

この部位を尺骨神経が通過するとき圧迫されて症状が出ます。

ギオン管症候群の特徴は尺骨神経の浅枝には影響するが、深枝には影響しないということです。

浅枝は手のひら側の内在筋(母指球以外)へと続き、深枝は手の甲へと続きます。

したがってギオン管症候群の場合は手のひら側にしか症状が現れません。

これがギオン管症候群の理論になります。

しかし私が現場で実際に見ているとギオン管での神経圧迫が明らかに見られる患者様でも手の甲に症状が現れることがあります。

この時はギオン管だけでなく少し近位の深枝に影響を与える部位でも絞扼が見られているということになります。

このようなことはよくあるので「絶対にギオン管だ!」という概念にとらわれず細かく見ていくことが大切になります。

鑑別

尺骨神経障害でよく見られる症状として「鷲手変形」と「フローマンテスト陽性」ということがあります。

鷲手変形

小指・薬指のMP関節が過伸展し第1・2関節が屈曲した変形のことです。

この時親指から中指は正中神経の支配が強いため変形は見られにくいです。

フローマンテスト

左右の親指と示指で紙を引っ張りあった時、障害がある側の親指が伸展してしまいます。

まとめ

尺骨神経障害は国試でも現場でもよく見られる症状です。

しかし今回説明した基本的なことばかりでなはいことも事実です。

投球動作で肘部管症候群になりやすい、自転車競技をするとギオン管症候群になりやすいということをまずは理解します。

「と、いうことは…このシーンでも尺骨神経障害は起こるのではないか?」といった発想が必要になるます。

私が今まで現場で見かけたのはラグビーの接触時に肘を捻り整形外科に行かれた患者様がいました。

肘部関節捻挫の診断となり部活のトレーナーさんにテーピングをしてもらいプレーし続けたということでした。

しかしプレーを続けていると何となく手がシビレてくるということで私の所に来てくれました。

すぐにテーピングを取ってもらい肘関節の治療、肘を捻った時と同時に痛めたと思われる前腕屈筋群の治療をおこない症状を軽減しました。

この例は分かりやすいですが教科書に記載されていないパターンも多々あります。

こういったこともイメージできると治療の幅が広がりますね^ ^

次回は正中神経障害についてお話していこうと思います。

今日もありがとうございました。